「フランダースの犬」広告
フランダースの犬の古き広告
この白黒の写真は大正3年12月10日第5版:本田増次郎氏訳「黒馬物語(ブラックビューティー)」の巻末広告に記載されていたものです。下に東西出版社とありますが、これは
当初フランダースの犬及びこの黒馬物語は内外出版協会から発売されておりましたがこの内外出版社倒産後、フランダースの犬の版権が東西出版社へ移行したための版元が東西出版社
と表記されています。また東西出版社も現在は存在しておりませんが後に村岡花子氏や他の翻訳者の方々によって現在の知名度にまでなったのでしょう。現在入手しております資料に
おいてはこれが最古のフランダースの犬の広告になります。
以下文面を記載します・・・・・・
フランダースの犬
本書は數月前伊太利に窮死し、僅かに其の一忠婢と數頭の犬猫とによりて哀悼の誠を致されたる薄倖不遇の閨秀作家ウイダ(本名ルイス・デ・ラ・レミイ)女史が一代の傑作
にして現下歐米の各新聞雑誌は、筆を揃へて之を激賞し、世界最良圖書百巻の一に數ふべきを云ふものあり。實に世の貧しき者弱き者に對して濺がれたる作者の同情熱誠は、
滾々として紙上に滿つ。殊に忠犬が可弱き主人公を慕ひ、自ら安樂を捨てゝ死地に就くのあたりは、試に五六の少年少女をして讀ましめたるに、よく一人の泣かざるものある
ことなし。譯文また流麗暢達。動物愛護の情を養はしむる上に多大の貢獻あるべきを信じて疑はず。是れひとり少年少女の健全なる家庭讀本として推薦すべきのみならず、又
贈物様として甚だ妙なる可し。
武士道の著者:新渡戸稲造の名があったりと当時を思わせる文面もあり、ウィーダが晩年貧しさの中亡くなりその死亡記事が本田増次郎氏の目にとまりこの物語が発見される
きっかけとなった経緯も紹介文の中に感じ取る事が出来ます。当時は何か志しがあるとその為に会社を設立したりととても自由な風潮がありました。内外出版社は動物愛護の
書籍を発行する目的もありそういった時代背景の中フランダースの犬も良書として見いだされました。
K.Oshima 5/December/2004
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